2012年2月9日木曜日

The Amazing Bud Powell Vol.1

各レーベルからリリースされている(されていた)バド・パウエルの録音は1944年から1965年までの21年間にわたるものでありますが、この21年間はだいたい3つの期間で区切る事ができるでしょう。
1つは初期から全盛期にあたる1944~1951年、2つめは1951年からの入院以降、つまり1953年~1958年、最後がヨーロッパ移住以降の1959年~1965年です。
そしてこの1951年にリリースされた「The Amazing Bud Powell Vol.1」に収録されている同年のセッションはいわば最初のピリオドの一番最後の録音です。

このアルバムは1949年8月9日のクインテット及びトリオのセッションと、1951年5月1日のトリオセッションの2つが収められていますが、この後1951年夏から彼はアルコール及び麻薬の依存症の治療のためクリードモア州立病院に入院、電気ショック療法を受けるなどし、次に演奏活動に復帰したのは1952年12月11日にバードランドにて、録音が残っているのは1953年2月7日からとなっています。
確か現在手に入るRudy Van GelderリマスターのCDだとトラック1-11に1949年のセッション、12以降が1951年と前後で分かれていたと思います。
パーソネルは1949年がFats Navarro(tp), Sonny Rollins(ts), Tommy Potter(b), Roy Haynes(d)で、1951年がCurly Russell(b), Max Roach(d)です。
1949年セッションのソニー・ロリンズは若干18歳で、彼の録音では最初期のものでしょうか。一方ファッツ・ナヴァロは翌年1950年に結核で亡くなっています。1951年のセッションはお馴染みのリズムセクションですね。

下に載せたのは1951年のセッションから彼の代表曲「Parisian Throughfare」のソロです。この5コーラスとちょっとのソロの中には彼の代表的なフレーズ、イディオムがみっちり詰まっていますのでとても参考になります。
またこの曲のテーマで彼はダンパーペダルを効果的に使っているのですが、それはまた今度。

  Bud Powell - Parisian Thoroughfare

0 件のコメント:

コメントを投稿